人事なら知っておくべき法律シリーズ②〜パートタイム労働法とは?〜

どの業界においてもパート・アルバイトは非常に重要な存在となっています。特に今日においては人手不足がより進んでいるため、いまやパート・アルバイトの存在は必要不可欠です。もちろん労働力不足を補うメリットもありますが、正社員よりもコストが低く、また様々な人を雇用することが可能になるため、職場が活性化し、多様性が広がるというメリットもあります。そんな重要な存在であるパート・アルバイトですが雇用する際に気をつけなければならない点がいくつかありますが、その中でも今回は法律についてまとめてました。自分のところは大丈夫だと思っていても、思わぬ盲点がいくつも法律には存在します。今回の記事でパートタイム労働法についてわかりやすく解説します。

そもそもパートタイム労働法とは?

正式な名前は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法」となっていますが一般的に略称である「パートタイム労働法」や「パート労働法」で呼ばれることが多いです。パートタイム労働法はこの法律にも書かれていますが第一にパートタイムで働いている人がしっかり能力を用いて働けるようにするためのものです。正社員じゃなくて、アルバイト生だからぞんざいに扱って良いというわけではありません。むしろそのような態度をアルバイト生に対して取っていると、その企業または飲食店の魅力が一気に低下してしまいますし、今日においては口コミサイト等によってその情報が一気に広まってしまうため、絶対に避けましょう。この問題を避けるための労働法でもあります。では、ここでいうパートタイム労働者の定義とは一体なんでしょうか?

パートタイム労働者の定義って?

construction-652292_1280一体この法律の対象者は誰なのでしょうか?確かにパートタイム労働者といっても呼び方は「アルバイト」や「パート」、「バイト生」など様々です。また正社員と同じ仕事内容で働いているパートタイム労働者もいるため、正社員とパートタイム労働者の区切りがわからないという方もいるのではないでしょうか?

ここで言うパートタイム労働者とは法律において「短時間労働者」と呼ばれています(パートタイム労働法第2条)。この短時間労働者とはどんな存在かというと、1週間のうち同じ事業所に働く正社員が働く時間よりも少ない時間を働く労働者のことを指します。つまり、この条件に当てはまる労働者はパートやアルバイトなど呼び方が異なったとしても短時間労働者に当てはまり、このパートタイム労働法が適応されます。もちろん例外もあり、フルタイムで働いているパートと呼ばれる人たちも雇用管理でこの法律に関わってきますので注意してもらいたいですが、基本的には正社員よりも労働時間が短い労働者と認識していてください。 

パートタイム労働法〜知っておきたい総則〜

第1条
雇用者は通常の労働者(正社員)と均衡が取れた待遇をパートタイム労働者に与え、パートタイム労働者が能力を発揮できるように福祉などを充実させないといけません。 

第3条
雇用者は労働者の現状を理解した上で、パートタイム労働者の教育や福祉の充実や正社員登用制度を実施を進める必要があります。また、雇用者が属している団体(企業や飲食店)自体がパート労働者が働く環境や福祉などを改善したり、援助したりしましょう。

パートタイム労働法〜知っておきたい短時間労働者の雇用管理の改善に関する措置等〜

第6条
労働基準法によりパートタイム労働者を雇用した際は「必ず」以下の項目について文書を労働者に提示しなければいけません。

 

  • 昇給の有無
  • 退職手当の有無
  • 賞与の有無
  • 相談窓口

この4つの項目はパートタイム労働者に必須です。また、労働者全体で必要なのが
 

  1. 労働契約の期間に関する事項
  2. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  3. 賃金(退職手当及び第5号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  4. 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  5. 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第8条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
  6. 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
  7. 安全及び衛生に関する事項
  8. 職業訓練に関する事項
  9. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  10. 表彰及び制裁に関する事項
  11. 休職に関する事項

1.-2 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
4.-2 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項 

 

です。上記を明記しないことで過料が発生してしまいます。この部分は非常に重要になってくるため気をつけてください。詳しくはこの記事も参照してみてください。労働基準法について詳しく解説してあります。

第7条
事業主は就業規則を作成し、また変更する際はパートタイム労働者の代表(短時間労働者の過半数を代表する人)に意見を聞く必要があります。

第8条
事業主はパートタイム労働者だからという理由で正社員よりも待遇を悪くしてはいけません。また、仕事内容や仕事における責任などが著しく異ならない場合は正社員と同程度の福利厚生を与えなければいけません。どの点で通常労働者とパートタイム労働者を比較すればいいのかというと職務の内容(業務の内容や責務の内容)や人材活動の仕組み(転勤や職務内容の変更などに関するもの)が判断基準となっています。図を参考にしてください。(参考1) 

 措置として・・・

◎→パートタイム労働者であることによる差別的扱いの禁止
◯→実施義務・配慮義務
△→職務の内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案する努力義務
➖→通常の労働者と均衡などを考慮した上で実施する義務

(参考1:厚生労働省「
パートタイム労働法の概要」)

例えば業務内容が同じだったり、中核的業務(労働者に与えられた必ずやらなければならない業務)が同じだったり、与えられた業務の責任度合いが通常労働者と同じだった場合は①とみなして、同じ待遇をパートタイム労働者にも行わなければないりません。もちろん与えている職務のうち何かが著しくことなる場合はそれに合わせて賃金を変えたり、待遇を変えたりしてもかまいませんが、可能な限りパートタイム労働者に対しても良い待遇を提供できるように心がけましょう。第10条にも書かれているのですが、職務内容が異なる場合のパートタイム労働者の賃金を労働者自身の能力や意欲、成果などによって決めても良いです。

(注意)

・各地域の最低賃金はどんなに職務内容や能力を考慮したとしても下回ってはいけません。自分の地域の最低賃金を確認した上で賃金設定を行いましょう。
→元からあった賃金を能力や意欲などが伴っていないという理由で下げてはいけません。

第13条
正社員登用制度を実施する際に必ず、正社員になった場合の賃金や福利厚生など、正社員が関わる業務や待遇についてしっかりパートタイム労働者に伝えておきましょう。また、正社員登用を行なった際はもともとパートタイム労働者だった人が配置に関して希望がある場合はそれを反映させる権利も与える必要があります。 

まとめ

以上がパートタイム労働法において気をつけなければならない点であり、人事なら知っておく必要がある項目でした。ただ、この法律は短時間労働者に特化したものであるので、労働者全員に適応される労働基準法も確認しておきましょう。 

労働基準法が詳しくまとめられた記事はこちらです。気になった方や労働基準法に関してまだ理解していないという方はぜひこの記事を読んでみてください。
人事なら知っておくべき法律シリーズ①〜労働基準法とは?〜

 

採用トレンドセミナー

HR Forceでは採用トレンドセミナーを実施しております。詳細は上記画像をクリック。 

Written by 採用GO 編集部 佐々木
採用GOを運営する最先端のHR企業 HR Forceとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめ記事

人事なら知っておくべき!人材育成に役立つ「ピグマリオン効果」とは

ついに解禁!労働条件通知書の電子化で起きる変化とは

【目的別】中小企業向けの雇用関係助成金まとめ

あなたの企業、定年制廃止して大丈夫?定年制廃止の3つのメリット・デメリット

【2020年4月から】働き方改革に伴う「新36協定」への変更!中小企業に必要な対応とは?

ヤフー、ソニー、リクルート……「サバティカル休暇」導入のポイントと導入例7社

経済産業省も推奨するサバティカル休暇とは?メリット・デメリットも解説

人事担当者は要注意!「採用」と「内定」違いを理解してトラブル回避

最も読まれた記事

インディードCMの女優はだれ?CMの評判は?

【人事必見】インフルエンザって有給扱い?欠勤扱い?休業手当は出すべき?

外国人採用の成功企業事例 7選!

【ソーシャルリクルーティングとは】SNS採用のメリットや注意点を総まとめ!