人事なら知っておくべき法律シリーズ⑩〜労働契約法って何?〜

労働に関する法律のうち大半は戦後すぐに存在するものが多いですが、今回の記事の内容である労働契約法は2008年に施行された新しい法律です。これは、様々な働き方が生まれたことで、様々な人が働きやすくなった一方で、労働契約を個別で結ばされて不当な扱いをうけてしまっている人が増えてしまっています。その問題を解決するために労働契約について法律を作ったのが労働契約法です。一時期話題になりましたが、労働に関わる法律の中でも新しい部類でもあることからしっかりマークしていないという方もいるのではないでしょうか?そこで今回は労働契約法にスポットをあてて解説していこうと思います。労働者の方たちだけでなく、人事の方も経営者の方もこの法律は深く関わってくるので、おさえていきましょう。

労働契約法とは?

労働契約法の目的とは何でしょうか?先ほどの説明に加えて詳しく話していきます。

今までの働き方では労働者は集団で働くことが多く、そのため集団で雇用することが一般的でした。したがって、労働者の集団(労働組合)と経営者の間に発生する集団紛争を避けるような法的設備は整っていいました。ただ、労働者個人と企業の個別労働関係紛争については法的処置が長年なかったのです。徐々にアルバイトや成果報酬型などの仕事が増加することにより、企業と労働者個人の労働契約に関する問題が増加し、もはや判例だけでは対処が難しくなりました。そこで、労働者個人と企業の個別労働関係紛争について制度化されたのが労働契約法です。

では、個別労働関係紛争とはなんでしょうか?個別労働関係紛争とは、事業主と労働者の間で労働関係に関する問題(ここでは主に労働契約内容やパワハラなどの働くに関する問題)が発生して、双方で揉め合いになることで、最悪の場合は裁判問題にまで発展するような事柄です。企業側にとっても、労働者側にとっても個別労働関係紛争は絶対に避けたいですし、働き方が多様になってきた今の社会においてはかなり障壁です。国も個別労働関係紛争問題を解決したいと考え、現在の制度化に至りました。

以上の問題を解決するため、個人契約においても法律という規則を作ることで企業側に労働者が求める条件設定をあらかじめ組ませることができるようになりました。たとえアルバイトでも不遇な扱いを受けずに仕事の契約ができることを可能にしたのが労働契約法となっています。では、次に労働契約法の重要な項目をピックアップして解説していきます。
 

知っておくべき労働契約法〜総則〜

第2条
まずはここでの労働者と使用者(企業側)の定義について確認します。労働者とは企業側から賃金を支払われて働く人のことを指し、使用者とは労働者に賃金を払う人のことを指します。役員と使用者を間違えないようにしましょう。 

第3条
労働者と企業側の立場が対等であることを合意したものとして、締結したり、変更したりしなければいけません。また、企業側は労働者の労働環境や働き方などに応じて労働契約を改善するという意味で変更しましょう。もちろん、現実において個人同士で労働者と企業側の立場が対等になることは難しいケースがほとんどであるが、それでも労働者の意見は聞けるように務めることは必要です。

第4条
ただ労働契約を結ぶのではなく、企業側は労働者に対して労働契約の契約内容の理解を深めるように努めなければなりません。書面に出すのはもちろん、きちんと雇用する際に労働契約について話すようにすると理解が深まるだけでなく、改善点も共有することができるでしょう。

知っておくべき労働契約法〜労働契約の成立及び変更〜

第7条
基本的に労働契約を結ぶ際には就業規則を満たした上でないと結ぶことができません。また、そこで結んだ労働契約の労働条件は必ず就業規則に基づいている必要があります。就業規則を満たしていなかった場合はその契約は無効になってしまうためです。このことから、就業規則の部分についてもしっかり把握することが求められるでしょう。

第8条〜第10条
労働契約を変更する場合は両者の合意を得てからでないと、労働契約を変更することはできません。そのため、企業側の都合で労働契約内容を変更することは法律違反となるため、なるべく避けましょう。ただし、その契約を変更する必要性があり、合理的で、労働者にとっても妥当性がなければいけません。またそのような企業側から労働契約変更を行なった際は、労働者全員に周知するようにしましょう。無断で行なっていた場合は、合意に至ることが不可能になってしまいます。判例により出された合理的な判断要素として挙げられるのは7つ挙げられていますので、本当に緊急性が高く、労働条件を変更しなければならない時に参考にしてみてください。

 

  1. 就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
  2. 使用者側の変更の必要性の内容・程度
  3. 変更後の就業規則の内容自体の変更
  4. 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
  5. 労働組合等との交渉経緯
  6. 他の労働組合又は他の従業員の対応
  7. 同種事項に関する我が国社会における一般的状況

第12条
就業規則に達しない労働契約だった場合は、その契約は無効になってしまいます。その際は、就業規則に達していない部分を就業規則に達するまで引き上げる必要が発生するため、ここにおいても就業規則についてしっかり知っておきましょう。 

知っておくべき労働契約法〜労働契約の継続及び終了〜

第14条〜第16条
企業側が労働者に対し、出向を命じた際にその出向に必要性があるか、労働者の事情を考慮した際に企業側の権利を氾濫して出向させたことがわかった場合、その出向は無効になります。もちろん出向以外にも懲戒や解雇を企業側が労働者に措置として被る際は用いられますので、今挙げた3つをどうしても行わないといけない場合は客観的から判断できるような理由を用意しましょう。また、客観的だけでなく、社会から見たらその判断をどう見られるかということをしっかりと念頭におきながら、きちんと向き合っていくことが求められます。 

知っておくべき労働契約法〜期間定めのある労働契約〜

ここでは有期労働契約について解説していきますが、2012年に新たに改正法が加わりましたので、その部分に注目してまとめていきたいと思います。

第17条〜第20条
基本的に労働者と有期労働契約を結んだ際は、契約期間内にその労働者を解雇してはいけません。有期労働契約の契約期間として、最長で5年とされていますが、連続して5年通勤した契約者が有期から期間が定められていない契約(無期労働契約)に変更したい場合は変更可能となっていますので、そのような労働者がいた場合は必ず話し合いましょう。

また、契約期間を決めた場合の雇用の更新に関してですが、合理的な理由がない限り、更新を企業側が断ることはできません。先ほど書いた通り、まずは労働者の意見を聞き、業績やその労働者が問題を起こしたか、社会的にはどう判断されるかなどを考えたうえでの更新取り消しであれば問題はありません。その際、労働者側からの申込書作成をお願いすることでよりスムーズにことが進みます。統一したいのであれば企業側がテンプレートを作成することもおすすめです。

加えて、期間が定められていない契約(無期労働契約)と有期労働契約の間に有期労働契約という理由だけで待遇を変えてはいけません。時間や仕事内容以外に関しては待遇を同じにしましょう。

まとめると、基本的に特別な理由がない限り、労働者を解雇してはいけないということです。 

まとめ

いかがでしょうか?今回の労働契約法について、注目するべき点は労働基準法やパート・タイム労働法に比べて少なかったですが、労働者と企業が良い関係を築いていく過程でとても重要な法律であるとわかったのではないでしょうか?一方的な契約を結ぶのではなく、常に労働者側との理解を深めためにも会話の量を増やしていきましょう。もし、それが難しい場合は日程調整をし、頻度は高めではなくてもかまいませんが、ある程度話せる場を設けることをおすすめします。そうすることで、単に法律を守るだけでなく、働く側からも魅力的な企業になっていきます。

 

Written by 採用GO 編集部 佐々木

 

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