<人事担当者必見!>これを読めば分かる!育児・介護休業法とは?

最近、働き方改革という言葉を頻繁に耳にするようになりましたね。そのことから、企業における働き方も見直されつつある中で、特に注目されている単語の一つに育児・介護休業があります。そのことについて、まとめた法律が育児・介護休業法です。今回はこの育児・介護休業法についてまとめてみました。この法律は、どの企業もこれから密接に関わってくる法律なのでおさえていきましょう。

目次

 


育児・介護休業法とは?

育児・介護休業法の正式名称は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」ですが、名前が長いため基本的には育児・介護休業法と呼ばれています。女性の社会進出が進んだことにより、子育てしている女性や男性でも仕事と両立ができるように支援する法律が求められました。また、高齢社会になっていく中でも、介護休業というのは外せないことからもこの介護を支援する法律も求められた結果、育児・介護休業法が誕生しました。

育児と介護が理由で仕事を辞めなければならないとなってしまうと社員は、特に女性社員は働ける期間が短くなってしまいますよね。今と昔は違い、誰でも自由に働けるという考え方が普及していることから、企業にも育児・介護休業制度を設けてもらうためにできたのがこの育児・介護休業法です。近年では、人材を採用することが難しい中でも、しっかりこの法が守れているかどうかで採用できる人材の数が変わってきます。また、その他にもこの法律を知っておくことでメリットがあるので、ぜひここで育児・介護休業法を抑えていきましょう。

育児・介護休業法〜知っておくべき育児休業について〜

第6条>

企業側は労働者から育児休業申出があった場合、基本的にその申出を断ってはいけません。ただし、事業主と労働組合(または、労働者の過半数を代表する人)が書面において次に該当する事項による理由で申出を禁止していた場合は、それに該当する申出を断ることができます。

 

  • 企業に引き続き雇用された労働者の雇用期間が1年未満の場合
  • 厚生労働省令で定められている理由以外のもの

第5条の内容と関わってくるのですが、労働者が育児休業を申請できる期間としては、労働者の子供が出生したその日からその子供が1歳になるまで(誕生日の前日まで)の間と原則なっています。女性の方は基本的に産前産後休業によって8週間休業することが可能であるため、出生した日から育児休業を申請できるのは基本的に男性に絞られます。

ただし1歳になっても、保育所が見つからなかった場合労働者の配偶者が育児休業を取っている場合においては1歳の誕生日を迎えた日から1歳6ヶ月に達するまで育児休業を申請することが可能です。また、1歳6ヶ月になった時点で同じような状況になっていた場合は2歳の誕生日前日まで申出を出すことができます。これは2017年に改正した法律なので抑えておきましょう。

次に育児休業申出の期日ですが、原則、休業を開始しようと考えている日の1ヶ月前までとなっています。もし、労働者が期日に遅れて申出を提出した場合は、企業側が休業開始日を設定することができます。その場合企業側が設定できる期間としては以下のようになっています。 

 

<第7条>
期日までに提出できたとしても労働者側にイレギュラーが発生してしまうことがありますよね。その場合による事業主が指定可能な期間が変わってしまうので気をつけましょう。労働者側が期日を繰り上げ変更する際は、特定の事情が発生した場合のみ1度だけ繰り上げ変更することができます。特定の事情とは以下の通りです。

 

  • 予定出産日よりも早く出生した
  • 配偶者の死亡
  • 病気、負傷など

上記以外にも特別な事情がある場合はしっかり労働者側と話し合いましょう。また、繰り上げ変更した場合の事業主の指定可能期間はこのようになります。

 

 



育児・介護休業法〜知っておくべき介護休業について〜 

<第12条>
育児休業の際と同じく、労働者から介護休業申出があった場合は企業側はそれを基本的に拒むことはできません。介護休業を取得できる労働者は以下のようになっています。 

 

  • 企業に引き続き雇用された労働者の雇用期間が1年以上の者
  • 介護休業を取得しようとしている予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過するまでに労働契約の期間が満了していることが明らかでない人(期限がない労働者)

また、原則として介護休業申出は休業予定日の2週間前までとなっています。もし、労働者が遅れてしまった場合は育児休業の時と同じく休業申出があった日から2週間は日程を指定してもかまいません。

<第15条>
事業者は労働者が申出を1回撤回した上で2回目申出をしてきた時はそれを拒んではいけません。ただし、2回続けて申出を撤回した上で3回目申出をしてきた時は、その申出を断れます。ただ、その申出が連続していない場合は断ることは出来ないので注意してください。

育児・介護休業法〜知っておくべき子供の看護休暇について〜

<第16条>

労働者の子供が小学校に就学するまでにおいて、その子供を養育するために1年度に5日間まで(子供が2人以上の場合は10日まで)看護休暇を企業に申し出ることで取得することが可能となっています。その場合、企業側はその申出を拒むことはできません。

また、休暇の取得の仕方として1日単位としてではなく、半日単位としても取得することが可能です。その半日単位とした場合は1日の労働時間の半分を休むといった形になります。(労使協定によって半日の時間帯が異なる場合は、その労使協定に従いましょう)

看護休暇を取得することが可能な労働者は以下の通りになっています。

 

  • 事業に雇用された期間が6ヶ月以上
  • 1週間の所定労働時間が2日よりも多い労働者
  • 半日単位でも看護休業を取得出来る労働者(1日の所定労働者4時間以下は不可能)

育児・介護休業法〜知っておくべき所定外労働の制限について〜

<第16条-8>
お子さんが1歳以上になって育児休業期間が終わったとしても、当然まだ年齢が年齢であるためなるべくお子さんに寄り添う時間が欲しいですよね。そこで、この項目ですが、3歳未満の子供を育てている労働者に対して、所定外労働を超えて労働をさせてはいけません。企業側は子育てしている労働者とコミュニケーションを取って、把握しておきましょう。

<第16条-9>
子育てが必要な労働者と同じく、労働者の対象家族が要介護状態にある場合において、労働者側が介護の請求をした場合は、所定外労働をさせてはいけません。また、その請求を拒むことも事業の運営が正常に進めない時以外は避けましょう。

請求できる期間として1ヶ月以上1年未満となっていますので、「期間が長いなぁ。」と感じても、その期間が1年未満で妥当性があれば決して拒んではいけません。ただし、この請求はこの制限を開始する1ヶ月前にしなければならないことをしっかり労働者側に伝えておきましょう。

育児・介護休業法〜知っておくべき時間外労働と深夜業の制限について〜

ここからは時間外労働についてです。この請求は何回もすることが可能となっていますので、請求が多すぎではと感じても、妥当性があれば拒むことはできません。また、時間が密接に関わってくるのでぜひ抑えて、対応できるようにしましょう。

<第17条-1>
小学校に就学する前の子どもを養育している労働者が時間外労働の制限を請求した場合は、その労働者に対して、1ヶ月については24時間1年間については150時間を超える時間外労働をさせてはいけません。労働者の対象家族が要介護状態にある場合においても同じことが適応されます。(第18条)

また、この項目に関しても請求できる期間が1ヶ月以上1年未満となっています。加えて、労働者は、その制限を開始する1ヶ月前までに企業側に請求しなければ第5条と同じように企業側が開始日を指定することができます。それを避けて欲しい場合は、あらかじめ労働者に1ヶ月前提出を促しておきましょう。

<第19条>
第17条と同じく、小学校に就学する前の子どもを養育している労働者が深夜業の制限を請求した場合は、その労働者に対して、午後10時から午前5時の間は労働させてはいけません。労働者の対象家族が要介護状態にある場合においても適応されます。(第20条)

時間外労働と違うところは請求できる期間にあります。期間としては1ヶ月から6ヶ月までと半分となっていますので気をつけておきましょう。請求しなければならない期限は時間外労働の制限と同じです。

育児・介護休業法〜知っておくべき事業主が講ずべき措置について〜

ここからは事業主にとっては絶対に外せない項目となっています。加えて、今までの項目も密接に関わってくるので、ぜひここも抑えておきましょう。

<第21条>
事業主は労働者に対して、あらかじめ以下の項目を周知させるように努めなければなりません。聞かれたら答えるのではなく、積極的に企業側から育児・介護休業を労働者に進められるような会社を目指していきましょう。

 

  • 育児休業及び介護休業中の待遇に関する事項
  • 育児休業及び介護休業後の賃金、配置その他の労働条件に関する事業
  • その他の厚生労働省令が定めるものと知ってもらいたい事項

<第22条>
業側は育児休業と介護休業を取った後の労働者が円滑に仕事復帰できるように、労働者の能力開発や復帰後の労働者の職場配置、休業期間も能力の向上ができる措置をとるようにしなければなりません。能力向上や開発の措置に関しては、労働者側は選択できるように、あらかじめ選択肢を取れるようにしましょう。

(例)・休職する前に面談や研修
         ・自宅で学習が可能な教材を用意(eラーニングなど)

<第23条>
企業側は3歳に満たない子供を養育している労働者が育児休業を請求していない場合でもその労働者が参加できる、所定時間労働よりも短い短時間勤務制度を設けなければなりません
→制度の組み方として、所定外労働、時間外労働の制限を参考にしてみてください。

もし、このような措置を取らない場合、企業は厚生労働省令によって、労働者の養育をより容易にすることを助ける措置を取る必要があります。例えば、始業時間の変更(フレックスタイムの導入)や企業に保育施設を設置するなどが挙げられます。

介護の場合は以上のような措置を育児とは異なり、3年以上連続することが可能であることと2回以上受けられるような制度作りでなければなりません。

<第24条>
企業は小学校就学の始期に達する前の子供を養育している労働者に対して、労働者の区分に応じて、措置を変えましょう。全員が全員同じ制度がいいとは限りません。どのように分けるかは以下のようになっています。

・1歳に満たない子供を養育する労働者で育児休業をしていない人
①始業時刻変更等の措置
(例)フレクッスタイムの制度、始業または終業時刻の繰り上げまたは繰り下げ、企業の保育施設設置など

・1歳から3歳に達するまでの子供を養育する労働者
①始業時刻変更等の措置
②育児休業に関する制度

・3歳から小学校就学の始期に達する子供を養育する労働者
①始業時刻変更等の措置
②育児休業に関する制度
③所定外労働に関する制度
④短時間勤務制度

また、対象家族に介護が必要である労働者に関しては、以上のような制度作りを回数や期間を考慮した上で行いましょう。特に期間に関しては育児とはかなり異なりますよね。そのことからも、どのくらいがちょうどいいのか、労働者とも相談しながら決めても良いでしょう。

<第25条>
事業主は職場内で育児休業や介護休業に関することを話すことによって、言われた人の就業環境を害するようなこと、いわゆるハラスメントを起こさないようにしましょう。(これを育児休業に関するハラスメントと呼びます。)できるだけ、労働者側からの相談があった場合に、その休業に関する話を行いましょう。世間はハラスメントということに敏感であることからも抑えておいた方が良いです。

<第26条>
企業側は労働者を配置する際、特に転勤をさせる場合は、その労働者の育児や介護のことを考慮した上で実施しましょう。もちろん、その養育の中には小学生や中学生も含まれます。注意してください。

<第27条>
企業は、妊娠や育児、子育て、介護が理由で退職してしまった労働者に対して、必要であれば、再雇用の特別な配慮をするという再雇用特別措置を取ることが求められます。介護も入っているので、女性だけでなく、男性もこの措置の中に入ってきます。

以上で事業が育児・介護休業法に関して取らなければならない措置は全部ですが、これらを踏まえて大切なことは労働者が子育てと仕事を、介護と仕事を両立できるような職場作りです。そのためには、このことをまとめた指針とこの育児と介護に関する事柄を有効に実施するために担当の労働者を選任しましょう。(第28条と第29条)

 

まとめ

いかがでしょうか?数多くの項目があり、全ての項目を管理することは非常に大変に思われるかもしれませんが、冒頭でも説明した通りゆくゆくは会社のメリットにもなります。これを機に一度、会社の制度を見直してはいかがでしょうか。

 

Written by 採用GO 編集部 佐々木

 

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