人事担当者は要注意!「採用」と「内定」違いを理解してトラブル回避

一通り選考を終え、一連の採用活動で最後に行う「内定通知」。内定通知と類似して「採用通知」という言葉がありますが、違いを理解していなければ訴訟などトラブルの元になります。今回は「採用」や「内定」など言葉の定義や、採用内定取消が認められる場合など、解説していきます。

目次

 


整理すべき「採用」「内定」「内々定」の違い

まずは混同してしまいやすい「内定」「内々定」「採用」の違いについて説明します。

 

1. 「採用」

採用とは、就職試験に合格した結果を示します。つまり、企業側が求職者を雇用する意思があるが、求職者が企業に勤める意思があるかは不明の状態です。求職者に入社してもらうためには、入社意思を確認する必要があります。

 

2. 「内定」

内定とは、法的に労使契約の一つとして扱われ、「企業が求職者を雇用する意思」と「求職者が企業に入社する意思」の双方の確認が取れた状態です。労使契約が成立しているため、法的拘束力が発生します。

新卒採用の場合には、経団連の「採用選考に関する指針」により「正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする」とされているため、多くの企業は10月1日以降に内定を出します。

 

3. 「内々定」

「内定」では労使契約が成立していないのに対し、「内々定」では労使契約が成立していない状態を示します。先述の通り、10月1日以降に内定を通知することが望ましいため、内々定とは10月1日まで採用予定の学生を繋ぎとめている状態です。言わば「内定の約束」です。

労使契約が成立しておらず、法的拘束力がないため、学生側も企業側も内々定を取消することができます。しかし現実には、内々定でも企業側に対しては内定と同様の責任が課されます。

 

※企業側による内々定取消が違法とされた判例

平成20年6月判例。平成20年5月に内々定の通知を文書で受けた学生に対し、10月2日の内定式直前の9月29日に急激な経営不振のため、内々定取消を通知した。福岡地裁はこの内々定取消を違法と判断し、内々定取消を行った企業に75万円の支払を命じた。

「採用通知書」と「内定通知書」は何が違う?

先述の通り、「採用通知書」は選考に合格したことを求職者に通知する書類です。つまり、企業側から求職者に対して一方通行に行われる結果報告です。

一方で「内定通知書」は企業が求職者の入社を承諾することを証拠として示す書類です。正式には採用内定通知書と言われます。内定通知書の発行自体に法的な義務はありません。内定通知の方法や、内定通知書に記載する内容にも法的な義務はなく、企業によって様々です。

 

採用取り消しはトラブルの元

一度通知した採用の取消はトラブルの元になります。労働者は労働基準法によって守られているため、企業は正当な理由がない限り、採用を取り消すことはできません。採用内定を通知した時点で、労使契約が成立しているためです。

  • 採用を取消できる「正当な理由」とは?

過去の判例によると、「採用内定時点で知ることができず」「内定取消が社会通念上相当と認められる場合」には、企業による採用内定の取消が可能です。 

具体的には、

  1. 内定者が疾病などで働けなくなった場合
  2. 内定者に犯罪行為があった場合
  3. (新卒採用の場合)内定者が取得単位不足のために大学などを卒業できなかった場合

などが挙げられます。

しかし正当な理由で内定を取り消す場合でも、注意が必要です。労働基準法第20条には「労働者を解雇する場合には、解雇する30日前までに解雇を予告しなければならない」と定められています。内定取り消しの場合も労働基準法第20条に準拠するのが望ましいでしょう。

「試用期間」での解雇は認められる?

試用期間とは、採用後に実際の勤務を通して、従業員を本採用するか否か判断する期間を指します。多くの企業では試用期間を設けています。

 判例では、試用期間中の解雇は通常の解雇よりも自由度が高いとされています。しかし基本的には通常の解雇と同様に、正当な理由がなければ不当な解雇と見なされます。判例によると、以下の場合には試用期間中の解雇が認められています。

 

  • 履歴書などに記載されていた本人の略歴に重大な虚偽の事実が発覚した場合
  • 遅刻や欠勤を繰り返すなど、勤務態度が極めて悪い場合

まとめ

いかがでしょうか。以下は、今回の記事のまとめたものです。

 

  • 「採用」とは、企業側が求職者を雇用する意思があるが、求職者が企業に勤める意思があるかは不明の状態
  • 「内定」とは、企業が求職者を雇用する意思と、求職者が企業に入社する意思の双方の確認が取れた状態
  • 「内々定」とは、内定出しの約束をしている状態
  • 採用内定取消はトラブルの元。採用内定取消ができるのは正当な理由がある場合のみ
  • 解雇の自由度が高いと言われる試用期間であっても、正当な理由がなければ解雇は認められない

 

「採用」や「内定」など、法的な定義を理解していなければ法に触れてしまう場合があります。正しく理解し、求職者とのトラブルを防ぎましょう。

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Written by 採用GO 編集部 藤原

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