リカレント教育とは?日本女子大や明治大も導入の教育制度を解説!

リカレント教育とは、義務教育や基礎教育を終えて労働に従事するようになってからも、教育機関に戻って学ぶことができる教育システムのことです。人生100年時代において、リカレント教育は次世代の学び方として注目されています。今回の記事では、リカレント教育が注目される背景やメリットとともに、気になる費用への補助・支援や、導入企業・大学の事例についてもご紹介します。

目次

 

リカレント教育とは

リカレント教育とは、義務教育や基礎教育を終えて労働に従事するようになってからも、個人が必要とすれば教育機関に戻って学ぶことができる教育システムのことです。

文部科学省はリカレント教育を以下のように定義しています。
「リカレント教育」とは、「学校教育」を、人々の生涯にわたって、分散させようとする理念であり、その本来の意味は、「職業上必要な知識・技術」を修得するために、フルタイムの就学と、フルタイムの就職を繰り返すことである(日本では、長期雇用の慣行から、本来の意味での「リカレント教育」が行われることはまれ)。
我が国では、一般的に、「リカレント教育」を諸外国より広くとらえ、働きながら学ぶ場合、心の豊かさや生きがいのために学ぶ場合、学校以外の場で学ぶ場合もこれに含めている(この意味では成人の学習活動の全体に近い)。  文部科学省ホームページより引用

リカレント教育は、スウェーデンの経済学者レーンが提唱し、国際的には1970年代に新しい教育構想として普及しました。そもそも「リカレント(recurrent)」には「繰り返し、循環、反復」といった意味があり、日本では回帰教育や、循環教育と訳されることもあります。

国際的にみて、日本はリカレント教育の普及が進んでいないと言われています。しかし、生涯にわたって就業と教育を交互に繰り返すシステムであるリカレント教育は、技術や働き方、年代構成の変化が著しいこともあり、今後益々注目されると言えるでしょう。

リカレント教育が注目される背景

なぜ日本でもリカレント教育が注目されるのか、その背景を4ポイントにまとめて解説します。

1. 急速な技術革新による、仕事に求められるスキルや知識の変化

急速な技術革新により、学生時には想定されていなかったスキルや知識が、社会において重要になることが今後は益々増えていくでしょう。大人でも学び直す機会が無ければ社会の変化に適応できず、労働力の低下に繋がります。リカレント教育のシステムである、技術の変化に合わせ、自分のスキルをアップデートし続ける学び方が、現在・今後の日本に求められているのです。

2. 人生100年時代による、働く期間の伸長

日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えており、ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が107歳より長く生きると推計されています。
現在は、一般的に65歳を定年退職年齢とされていますが、寿命が延びれば労働期間も延びるでしょう。
そして、高齢になっても社会で活躍するためには継続的な学び直しが不可欠です。

人生100年時代構想会議においても、以下のように述べています。
100年という長い期間をより充実したものにするためには、幼児教育から小・中・高等学校教育、大学教育、更には社会人の学び直しに至るまで、生涯にわたる学習が重要です。 厚生労働省ホームページより引用

3. 社会参加・復帰による、潜在的労働力の活用

少子高齢化が進む日本では、労働力不足が叫ばれています。そこで注目されているのが、家庭に入り退職した女性や、病気や介護等で一度労働から離れることを余儀なくされた未就業者です。働き方改革により時短労働や在宅勤務といった新しい働き方が増えていく中で、より自信を持って社会復帰するためにも、大人の学習機会重要視されています。

4. 転職を前提とした、新しいキャリアアップの仕方

これまで長期雇用が慣例化していた日本でも、近年は転職を前提としたキャリアチェンジ・キャリアアップを目指す労働者が増えています。終身雇用前提の働き方であれば、企業内教育のみに依存しても、仕事上必要なスキルや知識を習得できました。しかし、転職をベースとしたキャリアチェンジであれば、自分のキャリアパスに合わせ、自ら学習機会を作る必要があります。新しいスキルや知識を外部の教育機関を通し学習したいというニーズは益々高まっています。

リカレント教育のメリット

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リカレント教育によって享受できるメリットを以下の3点にまとめました。

1. 専門的なスキルや知識を習得でき、キャリアアップに繋がる

大人になっても学習機会があれば更なるスキルや知識を習得できます。業務できる範囲が増えれば、昇進や年収増加も期待できるでしょう。またリカレント教育は自主的に学習機会を作るため、自分のやりたい仕事につけたり、やりがいを感じたりすることができるかもしれません。

2. 企業の持つスキルの多様化、労働生産率が高まる

リカレント教育は企業側にもメリットがあります。現在いる従業員が更なるスキルや知識をアップデートされれば、長期に渡って企業に貢献してくれることができる人材が増えます。一人当たりの労働生産率も高まり、企業価値も高まるでしょう。
とはいえ、リカレント教育が注目される背景に述べた通り、転職を前提にリカレント教育を導入する労働者も多いため、企業がメリットを享受するためには転職させない仕組みも必要です。

リカレント教育にかかる費用

リカレント教育には様々なメリットがありますが、教育機関で学び直す分の費用がかかります。
教育機関毎に、1ヶ月にかかる平均的な時間と金額をご紹介します。

1. 通学(大学・大学院、専門学校、公共職業訓練等)の場合 48時間/6万円
2. 通信講座(通信制大学を含む)の受講の場合 21時間/2万円程度
3. その他(書籍での学習、講演会・セミナー、社内の勉強会等)15時間/1万円程度

内閣府「平成30年度 年次経済財政報告 第2章 人生100年時代の人材と働き方」(平成30年8月)より引用

リカレント教育への補助金制度

日本政府は、労働者の費用負担を減らすべく、教育訓練給付金制度を定めています。
教育訓練給付金とは、厚生労働省が指定した簿記や英語検定等、約14,000種類の講座を対象に、教育訓練受講に支払った費用の一部が支給される制度です。

この制度には一般教育訓練給付金と専門教育訓練給付金の2種類あります。条件や金額が異なりますが、専門教育訓練給付金の方が条件が厳しく、その分給付金も高額になります。

ここで、一般教育訓練給付金と専門教育訓練給付金の対象条件と金額を整理しましょう。

【一般教育訓練給付金】

対象条件

  • 受講開始日現在で雇用保険の被保険者であった期間が3年以上
    (初めて支給を受けようとする方については1年以上)
  • 退職日の翌日から起算して1年以内に受講開始
    妊娠・出産等の事情がある場合は4年以内)
  • 前回の訓練給付金を受けてから3年以上経過

支給金額
教育訓練施設に支払った教育訓練経費のうち、20%(下限年間4000円、上限年間10万円)

【専門教育訓練給付金】

対象条件

  • 受講開始日現在で雇用保険の被保険者であった期間が10年以上
    (初めて支給を受けようとする方については2年以上)
  • 退職日の翌日から起算して1年以内に受講開始
    妊娠・出産等の事情がある場合は4年以内)
  • 前回の訓練給付金を受けてから10年以上経過

支給金額
教育訓練施設に支払った教育訓練経費のうち、40%(下限年間4000円、年間上限32万円)
ただし、受講終了後、予め定められた資格試験等に合格した場合は、20%加算

リカレント教育導入大学事例

では実際にリカレント教育を導入している代表的な2大学をご紹介しましょう。

1. 日本女子大学

日本女子大学リカレント教育課程ページより

日本女子大学ではリカレント教育課程を作り、現在では文部科学省の委託を離れ、独自で運営しています。女性のキャリアアップに役立つカリキュラムを揃えており、多くの卒業生を排出しています。

2. 明治大学

明治大学リバティアカデミーより引用

明治大学は李カレント教育の拠点として、明治大学リバティアカデミーを設置しています。5つのキャンパスで年間400を超える講座を開設しており、法人優待制度もあるため、社会人に優しい仕組みが作られています。

リカレント教育推進企業事例

続いてはリカレント教育を推進している企業の事例を2つご紹介します。

1. ベネッセi-キャリア

ベネッセi-キャリアでは、学生と新人社会人を対象に支援サービスを提供しています。学生のうちには問題解決能力や、自主的な成長を促すような講座を、新人社会人にはより具体的な専門スキルを身につけられる制度になっています。講座は主に大学と連携して社会で必要とされる能力を伸ばすものになっています。

株式会社ベネッセi-キャリア「大学向け 教育・キャリア教育支援」より

 

2. リクルートマネジメントソリューションズ

リクルートマネジメントソリューションズでは新人社会人から中高年社会人を対象に支援サービスを提供しています。講座内容は、人材開発、組織開発、制度構築が主なテーマとなっており、経営・人事課題の解決を促しています。

人材育成・研修・組織開発のリクルートマネジメントソリューションズ「サービス」より

日本のリカレント教育における課題

リカレント教育は日本でも注目され始めていますが、普及には課題もあります。労働者がリカレント教育に興味を示している一方で、実際に生涯学習を行うには以下のような障壁があります。

  • 忙しくて学業と両立できない
  • 企業から理解が得られない
  • 支援制度が拡充されていない

特に企業側の課題が大きく、原則として社員の大学院修学を認めていない企業の数は約半数にのぼります。より生涯を通じて労働力を高めるためには、個々の学習欲だけでなく、企業側の理解や政府の援助が不可欠と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。最後にリカレント教育のポイントをまとめていきます。

  • リカレント教育とは、生涯にわたって教育機関に戻って学ぶことができる教育システムのこと
  • リカレント教育は技術革新や社会構成の変化で益々重要が高まっていく
  • リカレント教育は個々のスキル向上とともに会社の生産性にも繋がる
  • リカレント教育には費用もかかるが、政府の援助制度もある
  • リカレント教育が普及するためには企業側の理解と政府の援助が不可欠である

個々のスキルアップのためにも、企業の生産性向上のためにも、是非リカレント教育システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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Written by 採用GOメディア編集部 阿部

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