山口FGに見る「金融業界×人材紹介」が示すHR業界・採用戦略の未来

2019年話題になった「金融機関による副業解禁」。利益相反や情報管理の重要なお堅いイメージの金融機関で副業が進む背景から、これから銀行主体の副業や人材紹介ビジネスが発達していくことが予測されます。金融機関による人材派遣という人材ビジネスがもたらす、地域の中小企業の採用戦略・人材紹介ビジネスへの影響を徹底解説していきます。

 

目次


金融業界における副業解禁の背景

厚生労働省が公開する「モデル就業規則」から「副業禁止」の事項が消えたのは2018年の事。

2019年6月に福島県の東邦銀行が副業を解禁したことにより、銀行の副業解禁が進んでいきました。今となっては、新生銀行やみずほフィナンシャルグループでも副業が解禁されています。

銀行が副業を解禁した理由は主に2つの背景があります。

①人口減少・低金利に伴うマーケットの縮小

日本国内、特に地方では人口減少が顕著です。今後も人口減少のトレンドは続くので、地域の企業の経済規模に大きく左右される地方銀行はこのままでは業績の維持が難しいのです。

日銀が主体となる低金利政策は今後も続くことが予測され、銀行の主なビジネスモデルであった金利による利益獲得も厳しい状況が続いています。

②AIの導入による自動化

近年導入が進んでいるIoTやAI技術。定型業務の多い銀行をはじめとする金融業においては、AIによって単純作業を効率化する動きが進んでいます。お金が関わるため、データを精緻に取り扱うことのできるシステムの方が、人間より効率的になります。銀行や保険業で必ずしも大量の解雇が進むというわけではありませんが、これからは「人間にしかできないクリエイティブな仕事」が出来る質の高い人材を求めるようになるでしょう

このような状況下で金融機関は


  • 仕事量が少なくなり、人手が余る正社員を社会で活用する
  • 社外での経験を活かして新しいビジネスを生み出す人材を育成する

ことを目指して副業や人材紹介を促進しています。

 

山口FGによるHRビジネスの展開

2018年3月に金融庁は銀行の業務範囲規定を緩和し、銀行も「人材紹介業」が出来るようになりました。銀行が取引先企業に対して、後継者や専門知識を持つ人材を紹介するようになったのです。ここでは、山口フィナンシャルグループの取組を基に、地域銀行の人材ビジネスについて見ていきます。

 

山口FG

 

山口フィナンシャルグループでは、2019年7月に新たにYMキャリアという人材紹介ビジネスを担う子会社を設立しています。転職先の経営を担う幹部人材の紹介だけではなく、副業や兼業で働く人材の紹介も行っています。YMキャリアでは経営人材の紹介業だけでなく、部長クラスの実務の管理職も人材紹介会社と連携して紹介しています。

参考:「YMキャリアについて

銀行は仕事柄、地域の企業の経営状況とそれに紐づく人事管理に関する情報を得やすい立場にいます。行員を派遣するだけでなく、さらに拡張して人材領域の支援をしている例もあります。例えば、山口フィナンシャルグループでは、2018年から地域の中小企業の人材確保を支援する「TSUNAGUプロジェクト」では幹部の中途採用や新しい働き方の導入に際して相談・仲介を行っています。

参考:「TSUNAGU塾

さらに、若手人材を活用して地元企業の事業承継を支援するサーチファンドも2020年2月に設立しています。メカニズムとしては、山口フィナンシャルグループが設立したサーチファンドが後継者が不足している企業を買収し、若手人材が就任して担い手を探したり新たな体制で事業を維持したりするサービスです。

参考:「若手人材に投資・承継結実 山口FGのサーチファンド

 

地域雇用にもたらす影響

地方銀行による人材ビジネスは、地域の雇用にどのような影響をもたらしているのでしょうか。大きく2つの効果が見られます。

①地元の産業の発展

YMキャリアでは副業人材を地元の食品製造やサービス業に紹介し、経営企画や広報業務に貢献してきました。金融機関が社内外のネットワークを活用して、地元企業に必要なノウハウを持っている人材を、正規雇用で難しい場合は副業という新しい働き方で雇うことで補っています。マーケティング戦略立案や他の企業での経験に基づくアドバイザリーといった立ち位置ならば、副業の方がコストを抑えつつも新しい風を地方の企業に取り入れられる有用な施策といえます。

②地元の企業の倒産防止

事業承継の例では、人手不足の倒産を防ぐ役割を担っています。金融力があり、これまでのビジネスによる顧客基盤があるからこそ可能な解決策の提示であるといえます。

 

今後の人材紹介ビジネス・人材獲得戦略

地方銀行による人材紹介ビジネスの強みは、


  • 地域企業とのコネクション
  • 金融力と行員活用の意欲
  • 経営ノウハウや情報量

であることがわかります。地域企業が求めるニーズを汲み取り、金融資本だけでなく人的資本のサポートもできるようになることで地方銀行は新たな活路を見出しているようです。

人手不足が深刻化な企業が増える中、人材紹介を求める企業が増える一方で、「紹介できる人材がいない」「競合が増える中で生き残りが難しい」と考えている人材紹介企業も多いのではないでしょうか。多くの働き手は勤務地やアクセスを重視します。地方銀行の人材ビジネスのように地域に根差した「この産業の人材ならこのプラットフォーム」となることで急成長を遂げている企業があります。

詳しくはこちらの記事を参照ください。

【人材業界経営者必見】事例に学ぶ!新時代を生き抜く成長戦略

サブスクリプション型人材ビジネスとは?~派遣・人材紹介の未来~

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生産年齢人口が減少する中で、事業の維持・拡大に伴って需要が増す高度なスキルの獲得はこれからの企業の人事戦略にとって重要になってきます。YMキャリアが紹介するような「副業・兼業」によるスキル獲得戦略が大切になってくるでしょう。

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Written by 採用GO 編集部 亀川

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