今回のセミナーは、HR Force事業企画推進ゼネラルマネージャーの石川が講師を務め、「生成AIを活用してHR業務を効率化し、戦略的な人事にシフトする」ことを目指した中級者向けの内容として開催しました。
セミナーでは、まず生成AIの市場動向や活用事例について解説を行い、その後、参加者が実際に生成AIを操作するハンズオン形式で、プロンプト(AIへの指示文)の作成などを体験いただきました。
――2.1 この1ヶ月のAI業界のリリース情報
なんとこの1ヶ月で、OpenAI、Google、Adobeといった名だたる企業から、続々と新しいAIモデルや機能がリリースされています。
例えば、OpenAIの「GPT-4.5」は、より自然な会話やニュアンスを理解する能力が向上。まるで人間と話しているかのような感覚で、AIとコミュニケーションが取れる未来もそう遠くないかもしれません。
また、Adobeが発表した「Adobe Firefly Video Model」は、商用利用可能な生成AI動画モデルということで、マーケティングやコンテンツ制作の現場で大きな影響を与えそうです。
このように、生成AIの進化は私たちの想像をはるかに超えるスピードで進んでいます。
――2.2 生成AIのIQテストの結果
生成AIの進化を測る指標として、IQテストの結果を紹介しました。
ノルウェーのMensa IQテストにおいて、OpenAIの「o1」というモデルがIQ120以上のスコアを記録。IQ120以上は全人口の上位10%と言われており、AIの知能が人間の平均をはるかに超えていることがわかります。
さらに、新しいモデルである「o3-mini」は、この「o1」を上回るスコアを叩き出したとのこと!
まさに、「自分の隣に優秀なブレーンがいる」状態。生成AIを使いこなすことで、私たちの仕事や生活の質は飛躍的に向上する可能性を秘めていると感じます。
――3.1 業界別の労働時間分布とAIの潜在的な影響
アクセンチュアの調査によると、業界平均で40%以上の仕事が生成AIの影響を受ける可能性があるとのこと。
特に、事務作業やアシスタント業務では60%以上、営業・販売でも同程度の割合で影響が出ると予測されており、これまで「人間の仕事」と考えられていた領域にもAIの波が押し寄せていることがわかります。
――3.2 生成AIを導入している部署
コーレ株式会社の調査では、生成AIを業務で利用していると回答した人が約6割にものぼりました。(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000037237.html)
最も導入が進んでいる部署は「システム開発・ITサポート」でしたが、「人事・労務」での利用も26.0%と、決して少なくありません。
――3.3 生成AIの具体的な利用業務
生成AIの利用目的としては、「文書作成」が47.7%と最も多く、次いで「情報収集・リサーチ・分析」が40.6%、「設計・デザイン・画像作成」が30.3%という結果でした。
これらの結果から、多くの企業が生成AIを業務効率化や生産性向上のために活用していることがわかります。
セミナーでは、HR領域における生成AIの具体的な活用方法についても詳しく解説しました。
――4.1 HR業務における生成AIの利活用例
HR領域における生成AIの活用は、採用、人材育成、パフォーマンス管理、従業員エンゲージメント、労務管理など、多岐にわたります。
これらの活用により、業務効率化、コスト削減、データドリブンな意思決定、従業員満足度の向上などが期待できます。
――4.2 生成AI活用で「人は決定に集中する」時代へ
セミナーでは、生成AIがHR業務のほぼ全てをアシスト可能になるという衝撃的な未来も示唆されました。
これまで人事担当者が行っていた業務は、生成AIによって自動化や効率化が進み、今後はより戦略的な業務、例えば「意思決定」「判断」「設計」などに集中できるようになってくると想定しています。
セミナーの後半では、参加者が実際に生成AIを操作し、プロンプトを作成するハンズオンを実施しました。
――5.1 プロンプト作成の5つの基本要素
効果的なプロンプトを作成するためには、以下の5つの要素が重要です。
これらの要素を意識することで、より精度の高い生成結果を得ることができます。
――5.2 生成結果をブラッシュアップするテクニック
さらに、生成結果をブラッシュアップするためのテクニックも紹介しております。
これらのテクニックを活用することで、AIの生成結果をさらに洗練させることができます。
――5.3 議事録作成と求人キャッチコピー作成の事例
ハンズオンでは、議事録作成と求人キャッチコピー作成の2つの事例を通して、プロンプト作成のテクニックを学んでいただきました。
議事録作成
1.事前に「良い議事録のポイント」をAIに調査させ、ガイドラインを作成させる
2.プロの書記の役割を与え、実際の会話データを基に議事録を作成させる
3.生成結果に点数をつけ、AIに改善点を内省させ、ブラッシュアップさせる
求人キャッチコピー作成
1.生成AIに特定のツールの役割を与え、生成結果を事前調査として出力
2.広告プロライターの役割を与え、キャッチコピーを作らせる
3.条件を付与し、さらにブラッシュアップ
4.絞り込みを行い、提案として成り立つようにロジックを示させる
これらの事例を通して、プロンプトの重要性と、AIを効果的に活用するための具体的な方法をご紹介しました。
セミナーの最後には、生成AIを活用した候補者スクリーニングと面接判断・評価サポートのデモンストレーションを実施しました。
――6.1 候補者スクリーニング
求職者の職務経歴書と求人票をAIが分析し、マッチ度を評価。マッチ度が高い場合は「獲得おすすめ度が高い」と判断され、面談に進むことが推奨されます。
一方、マッチ度が低い場合は、改善提案と共に「お見送り」という判断が下されることも。
AIによる客観的な評価は、採用担当者の負担軽減だけでなく、マッチング精度の向上にもつながることが期待できます。
――6.2 面接判断・評価サポート
AIは、候補者の面接内容を独自の視点で評価することも可能です。
例えば、求職者の職務経歴書と求人のマッチ度が低い場合でも、深掘りのアドバイスを行うなど、面接官のサポートも行ってくれます。
今回のセミナーを通して、生成AIがHR領域にもたらす可能性をご提示できたのではないかと思います。
生成AIは、人事担当者の業務を効率化するだけでなく、より戦略的な人事にシフトするための強力な武器となります。
もちろん、AIを使いこなすためには、プロンプトの作成スキルやAIに関する知識が必要不可欠です。しかし、今回学んだことを活かせば、誰でも生成AIの恩恵を十分に受けることが可能です!
さあ、あなたも生成AIを味方につけて、最強のHRチームを作り上げましょう!