皆さん、こんにちは!
先日開催いたしました「Geminiで人事DX最前線~プロンプト作成術&Google Workspace連携徹底解説~」セミナーにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。また、惜しくもご参加いただけなかった皆様にも、セミナー内容をお届けすべく、レポートいたします。
今回のセミナーでは、生成AIがHR領域にもたらす革新的な変化と、その最前線を走るGoogleのGemini、そしてGoogle Workspaceとの連携に焦点を当て、具体的な活用事例やノウハウを余すことなくお伝えしました。
特に、参加者の皆様からの反響が大きかったのは、GeminiとGoogle Workspaceの連携によって生まれる新たな可能性を、実際の業務フローに沿って体験していただいたハンズオンセッションでした。
この記事では、セミナーの主要なポイントを振り返りながら、人事の皆様が明日からすぐに実践できるヒントや、生成AI導入における注意点、そしてGemini×Google Workspaceの連携がもたらす革新的な未来について、触れていきます。
――開催の背景と目的
セミナー冒頭では、生成AIが社会全体、そしてHR領域にもたらしている大きな変革についてお話ししました。少子高齢化、働き方の多様化、テクノロジーの進化など、人事を取り巻く環境は大きく変化しており、従来のやり方では対応しきれない場面も増えています。例えば、採用競争の激化による優秀な人材の獲得難易度の上昇、従業員の多様化による人事制度の複雑化、働き方改革による業務効率化の必要性など、人事担当者は多くの課題に直面しています。
このような状況下で、生成AIは人事の生産性を向上させ、より戦略的な業務に集中するための強力な武器となり得ます。生成AIを活用することで、採用業務の効率化、人材育成の高度化、労務管理の精度向上など、HR領域における様々な課題解決に貢献することが期待できます。
しかし、生成AIの導入はまだ始まったばかりで、多くの企業が具体的な活用方法や効果に課題を感じているのが現状です。そこで、今回のセミナーでは、Googleの最先端AIモデル「Gemini」と、ビジネスの現場で広く活用されている「Google Workspace」の連携に焦点を当て、人事DXの推進に役立つ実践的な活用方法をお伝えしました。
――セミナー内容
各セッションでは、具体的な事例やデモを交えながら、参加者の皆様に生成AIの可能性を実感していただけるようコンテンツをご用意いたしました。特に、ハンズオンセッションでは、参加者の皆様が積極的にGeminiを操作し、Google Workspaceとの連携機能を体感することで、生成AIの具体的な活用イメージを持つことができたという声を多くいただきました。
――生成AIの利用実態
セミナーでは、まず、日本企業における生成AIの利用実態について、最新の調査データをもとに解説しました。調査によると、生成AIは主に情報収集や文章作成に利用されており、システム開発やマーケティング、人事部門での効率化に貢献していることがわかりました。具体的には、文章作成では47.7%、情報収集・リサーチ・分析では40.6%、業務の自動化では28.5%の企業が生成AIを活用していると回答しています。 また、生成AIの導入率は着実に増加しており、約6割の企業が生成AIを導入済みであるという調査結果も出ています。
一方で、生成AIの利用には課題も存在します。例えば、生成される情報の正確性や信頼性の確保、個人情報保護への対応、倫理的な問題への配慮など、慎重に進める必要があります。セミナーでは、これらの課題についても詳しく解説し、参加者の皆様に適切な対策を講じることの重要性を強調しました。
――Gemini for Google Workspace
次に、今回のセミナーのメインである「Gemini for Google Workspace」について詳しく解説しました。Geminiは、Googleが開発した最新のAIモデルであり、テキスト、画像、音声、動画、コードなど、多様な情報を処理できるマルチモーダル機能や、膨大な量の情報を一度に処理できるコンテキスト理解能力を持つことが大きな特徴です。 具体的には、Gemini 2.0 Pro(Exp) では、200万トークンという広大なコンテキストウィンドウを持ち、2時間の動画、22時間以上の音声、新聞の朝刊約14日分の情報を一度に処理することが可能です。
Google Workspaceとの連携により、Geminiはドキュメント作成、データ分析、メール作成、情報収集など、様々な業務を効率化し、生産性を向上させることができます。例えば、Googleドキュメント内の2つの規約を比較して相違点を抽出したり、YouTubeやGoogleドキュメント、スライドなどの情報をソースにナレッジを蓄積・活用したりすることができます。
セミナーでは、Geminiのデモンストレーションを行い、参加者の皆様にその機能を具体的にイメージしていただきました。特に、Google Workspace内でGeminiを呼び出し、連携できる「Side Panel」機能は、参加者の皆様から「非常に便利で業務効率化に繋がりそうだ」という声を多くいただきました。
――プロンプトの重要性
生成AIを効果的に活用するためには、「プロンプト」と呼ばれるAIへの指示文が非常に重要になります。プロンプトの質によって、AIの出力結果は大きく左右されます。セミナーでは、具体的なプロンプトの作成例や、より精度の高い結果を得るためのテクニックなどを紹介しました。プロンプト作成のコツは、AIに役割を与え、目標や目的を明確にし、対象者を指定し、制限やスタイルを設定し、最後にフォーマットを指定することです。 この「プロンプトの5つの要素」を意識することで、AIに対する指示の具体性が増し、より精度の高い出力を得ることができます。
セミナーでは、メールの誤字脱字チェックを例に、プロンプトの作成方法を解説しました。 具体的には、「あなたは、ビジネスマナー講師です。以下のメール文をお客様向けに、修正してください。300文字以内で、御礼・本文(要件概要+弊社からの追加の案内)・ネクストアクションで構成してください。また、修正箇所を指摘し、改善点を具体的に述べてください。」というプロンプトを用いて、実際のメール文を修正するデモンストレーションを行いました。
――HR領域での生成AI活用
生成AIは、HR領域においても、採用、人材育成、労務管理など、様々な業務プロセスで活用できます。例えば、採用プロセスにおいては、求人票の作成支援、候補者のスクリーニング、面接質問の生成、採用広報の作成などに効果が期待できます。 人材育成においては、研修コンテンツの作成支援、従業員のスキル分析、キャリアパス設計などに活用できます。 労務管理においては、従業員からの問い合わせ対応、労務関連文書の作成支援、勤怠管理などに役立ちます。
セミナーでは、これらの活用事例を具体的に紹介し、参加者の皆様に自社での導入を検討いただくためのヒントを提供しました。特に、採用ファネルにおける生成AIの介入イメージ や、人事業務のほぼすべてに生成AIがアシスト可能であるという解説は、参加者の皆様に大きなインパクトを与えました。
――Gemini × Google Workspace ハンズオン事例
セミナーの後半では、参加者の皆様に実際にGeminiとGoogle Workspaceを連携させて操作していただくハンズオンを行いました。このハンズオンを通じて、参加者の皆様は、Geminiが会議の議事録作成や、議事録を基にしたメール文章の作成を効率的に行えることをお伝えしました。また、プロンプトを工夫することで、より精度の高い議事録やメール文章を作成できることも体験しました。
ノウハウ :
▪議事録を作成する際には、文字数制限や要約のポイント(例:決定事項、ネクストアクションなど)をプロンプトで指定することで、より精度の高い議事録を作成できます。
▪メール文章を作成する際には、メールの目的、対象者、必要な情報などをプロンプトで指定することで、より効果的なメール文章を作成できます。
▪GeminiのSide Panel機能を活用することで、Googleドキュメント上で直接Geminiを操作し、議事録作成やメール文章作成を行うことができます。これにより、作業効率が大幅に向上します。
今回のセミナーにご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。Geminiを中心としたテーマを扱うのは初めてでしたが、参加者の皆様からも好評だったようで、大変励みになります。今回も内容盛りだくさんでしたが、ご紹介した内容が皆様の業務に役に立つことを心より願っております。
今後も、HR Forceでは、生成AIをはじめとする最新テクノロジーを活用し、人事の皆様の課題解決と更なる発展に貢献してまいります。よろしくお願いいたします!