なぜ辞める?なぜ定着しない?新卒入社3年以内に離職の理由

新卒3年以内離職のリアル

就職活動という荒波を乗り越えるも、折角就職した会社を3年以内に辞めてしまう新入社員の多さが問題となっています。最新のデータによると就職後3年以内の離職者の割合は32.2%です(平成29年 厚生労働省発行「新規学卒者の離職状況」下記データより)。すなわち、現状では実に3人に1人が3年以内に離職しています。年次ごとに見ていくと、入社1年以内の離職者はおよそ1割、2年以内では2割、3年以内では3割となっています。しかしこの傾向は過去およそ30年間変化しておらず、長い間解決されていない問題です。

 

なぜ高い離職率は問題なのか?

高い離職率は、企業の成長にとって大きなマイナス要素です。

企業にとって離職とは、すなわち離職した人材に掛けた多大な採用・育成コストが無駄になることを示します。さらに離職者個人については、離職によって大手企業などで導入されている新卒専用出世コースから外れることになります。また、1年以内に離職した人については雇用保険の給付を受けられません。高い離職率は、企業のみならず離職者個人にとってもまた大きな問題です。

離職理由の実情

離職する理由は様々ですが、多くの場合ネガティブな理由であり、離職する際に上司に言う「建前」の理由と、本当の理由である「本音」の部分があります。建前の部分では「キャリアアップのため」「勤務地が遠い」「家族の都合」などが挙げられます。一方で本音の部分では「労働条件が悪い」「仕事内容が嫌」「人間関係が嫌」「ワークライフバランスが悪い」「プレッシャーが大きい」などが挙げられます。本音の部分に共通しているのが、どれも「思っていたより」という枕詞が付くということです。つまり、入社前にイメージしていた想像の部分と現実に乖離が起きてしまい、ミスマッチとなっているのです。

本音の離職理由の中で、注目すべきはプレッシャーが大きいという離職理由です。最近の就職活動においては「裁量権」への注目度が高まっていますが、プレッシャーが大きいという離職理由は裁量権と密接に関わっています。プレッシャーへの耐性を見極めた上で、フォローアップ耐性を整える必要性が生じています。

さらに、離職する理由は年次毎で異なっています。入社1年以内は自分が周囲に認められていないと感じ、承認欲求が満たされず、離職しやすくなります。そして入社3年以内ではより成長・キャリアアップしたいと感じ、自己実現の欲求を満たすべく、離職する人が多いです。マズローの欲求階層説によると人間の欲求には5段階あり、生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現の欲求となるにつれて高次になっていきます。離職理由についてもこの欲求階層説が当てはまっており、入社後は段階的により高次な欲求が働いています。

 

離職理由は、就職前後で区別できる

離職が起きる理由については、就職前と就職後で区別して考えられます。

就職前の段階では、自己分析を行うことで自分の「できること(適性)」について分析していきます。ところが実際の就職活動においてはできること(適性)よりも「やりたいこと(志向性)」を重視する学生が多く見受けられます。この適性と志向性のミスマッチが離職をもたらす要因となります。

就職後には、職務や勤務地、労働時間などが限定されないというメンバーシップ型雇用が挙げられます。特に、職務が限定されず希望の部署から外れたことで、仕事に対するモチベーションが低下し、離職への意欲が強まります。

離職率を改善する4つの改善策

では、離職率の高い現状を改善するためにはどうすればよいのでしょうか?

①まず始めに、ミスマッチの問題を解消するために積極的な情報開示を行うことが重要です。企業にとっては公開したくない情報もあるでしょう。しかしマイナスな情報も事前に開示することでスリーニング機能として働き、それらの情報を踏まえた上で入社した社員は定着しやすくなります。

②また、制度面での改善も必要です。上に入社1年以内では承認欲求が満たされずに離職する人が多いと書きましたが、これは上司とのコミュニケーション不足によるものと言えます。人事評価制度に上司からのフィードバックを組み込むことで、「プレッシャーが大きい」と感じている部下の現状を把握し、部下のフォローへと繋げることができます。

③加えて、転勤を減らす施策を行うことも必要です。特に、メンバーシップ型雇用は転勤の問題と密接に関係しています。入社前の段階で転勤について覚悟していても、入社後、実際に家族の問題などを考慮するようになり、転勤が離職の引き金になります。転勤を減らす施策についても検討が必要です。

④また、離職率に低い企業の施策を参考にするという方法もあります。4年連続で新卒3年以内離職率0%を達成している戸上電機製作所、ヒラノテクシード、WOWWOW、日清製粉グループ本社などの例も参考にしてみるのも一つの手です。

まとめ

いかがでしょうか。人材を定着させるまでが採用です。早期離職は離職する社員だけでなく、企業にとっても多大な損失です。早期離職は複雑な問題ではありますが、企業努力によって防ぐことができます。特に情報開示については実践しやすいため、ぜひ積極的に取り組まれることをおすすめします。そして社員が定着し、社員の定着が企業の成長をもたらすことを願います。

 関連記事【早期離職に悩む人事必見!「採用時点」「採用後」での仕掛けで定着率向上へ

採用トレンドを抑えて離職を防ぐ

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就活ルールの撤廃や、新採用手法の導入など、採用トレンドは刻一刻と変化しています。
採用担当者にとって採用トレンドを抑えることは急務といえるでしょう。

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