なぜ"新卒年収1000万 "?くら寿司・NECから見る採用市場の変化

NEC・くら寿司が「新卒年収1000万」制度を提示し話題を呼んでいます。また、SONYや ファーストリテイリングでも新卒年収の引上げを実施しており、新卒社員の高年収化が示唆されています。新卒の平均年収が200~250万と言われる中、なぜ1000万と高額過ぎる給与を払うのでしょうか。新卒採用市場の変化を含め解説していきます。

目次

 

日本の新卒平均年収と新卒年収引上げ

日本の新卒社員の平均年収は200万~250万と言われています。もちろん職種や業界・企業によって年収に差があり、外資企業やIT業界・コンサルティング業界等は、新卒年収を高く設定していることが多いようです。

そんな中、日本の新卒平均年収と差別化した高額年収を提示する企業が増えています。

日本経済新聞社の「社長100人アンケート」によると、初任給を直近で引き上げたと回答した企業は約7割に上ります。更に、年功序列型の体系を見直すとの回答は5割を超えており、成果報酬型を検討する企業が増えています。

中には、"新卒1000万"という年収額を提示する企業もあります。人材獲得競争は今後益々激化すると言えるでしょう。

新卒年収1000万の企業事例

実際に"新卒年収1000万”を提示している企業事例を2つご紹介します。

1. くら寿司エグゼクティブ採用を始めたくら寿司

くら寿司では2020年春の新卒採用で、入社1年目から年収1000万を約束される幹部候補生を「エグゼクティブ採用」として募集しています。

エグゼクティブ採用には以下の条件があります。

  • 26歳以下
  • TOEIC800点以上
  • 簿記3級以上取得

こういった若くグローバルに活躍できる将来の幹部候補生を最大10人採用する予定です。また応募対象は現くら寿司社員も含まれています。

現在、くら寿司が力を入れている事業がグローバル事業です。海外展開をより優位に加速していくためにもエグゼクティブ採用を通して優秀な人材を取り込みたいと考えています。また、目先の売り上げや利益にとらわれず、将来の幹部人材を獲得するために、長期的な将来への投資として"1000万"を掲げています。

外食業界の年収は一般的に決して高くありません。有価証券報告書によると、現在の従業員の平均収入は450万程度であるため、新卒一年目から平均年収の2倍を超える額が支給されることになります。新卒から年収を飛び抜けて高く設定することで、これまで他企業、他業界に目を向けていた優秀な人材からの応募を目算しています。

応募総数は8月22時点で300人を超えており、早稲田・慶應義塾・東大等日本の有名大学に限らず、海外大学生からの応募も非常に多いようです。今後のエグゼクティブ採用による効果に注目が集まります。

 

2. NEC

NEC

NECでは、10月から研究職を対象に、新卒年収が1000万を超える可能性がある給与を支給すると発表しました。

大学時代の論文や学会発表の実績などを元にした等級制度を設け、スキルや条件を満たせば新卒社員でも1000万を超える年収を獲得できます。

IT企業の給与水準は近年急速に上がっており、他社に負けない給与制度を組まなければ、優秀な人材の採用や定着に繋がりません。NECは、日本のライバル企業に限らず海外企業の賃金水準にも渡り合える年収を提示することで、スター社員を呼び込もうとしているのです。

また、これまで年功序列型の賃金制度だったNECにとって、新制度の導入はこれまでの賃金制度を払拭にも繋がるでしょう。

新卒高年収化の企業事例

ここからは、新卒年収が1000万とは言わずとも、給与引上げを行なっている企業を2つご紹介します。

1. SONY(ソニー)SONYの企業マーク

SONYでは、新入社員でも最大730万円の給与を支払う新しい制度を導入しました。元々SONYは等級制度を活用し、成果報酬型に前向きな姿勢を示していました。そこで、等級を新入社員にも適用し、能力の高い新卒社員には高い給与を支払う仕組みを取り入れたのです。

この新しい給与制度の目的は、プログラミンやAI(人工知能)に強い人材の獲得です。SONYの大学院卒新入社員の年収は約600万円なので、約2割増の賃金が支払わられることになります。

SONYでは、事業のグローバル化が急速に進んでおり、海外の優良企業に負けない技術を担保する必要があります。特にデジタル分野の人材獲得競争が世界的に激化する中、給与水準もグローバルに設定することが求められているのです。

 

2. ファーストリテイリング(ユニクロ)ファーストリテイリング

UNIQLO(ユニクロ)やGU(ジーユー)を運営するファーストリテイリングは、2020年卒の新入社員から初任給を2割引上げ、25万5千円とすることを発表しました。

入社する新入社員のうち、国内外の転勤があるグローバルリーダー職が対象になります。ファースト利テーリングが今後グローバルに事業を拡大していくために、国内の採用競争力を高めることが狙いです。この初任給は、日本のアパレル業界では最高水準とも言われており、グローバルに活躍できる人材を獲得できるか注目が集まっています。

新卒年収に1000万は実際必要?高年収化の背景

上記の年収引上げの企業例からわかるように、年収を引き上げる背景として、

 

  • デジタル乃至はグローバルに活躍できる人材が欲しい
  • 激しい人材競争に打ち勝ちたい

といった共通の特徴が浮かび上がってきます。事業のデジタル化・グローバル化が進む中、それに精通する若い人材を高い給与を払うことで獲得を図っています。

そのためには、ライバル企業にも負けない採用戦略が必要です。給与は学生にとっても入社条件として馴染みやすく差別化しやすい条件のため、引上げを図る企業が多いのです。

更に日本企業は、アメリカやヨーロッパなどの先進国の優良企業に比べ、初任給の水準が低い傾向にあります。グローバル基準で人材獲得競争を行うためには給与の引上げが急務と言えるでしょう。

特に、"年収1000万"という数字は憧れるサラリーマンが多く、高収入指標の一つと言われています採用活動を行う上で宣伝文句になりやすく、学生の関心を高めやすくなります。その結果、本来の給与水準であれば関心を持たなかった学生に対し、アプローチすることが可能になるのです。

とはいえ、新卒から年収1000万等高額な給与を払うには以下の点に注意が必要です。

 

  • 学生の入社基準が給与だけではないこと
  • 新卒で高い給与を支払っても転職する可能性があること
  • 現行社員が給与体系に不満を持つ可能性があること
  • 給与に値するパフォーマンスを発揮できる人材を獲得し育てることができるとは限らないこと

 "新卒年収1000万"という制度が企業にとって必要かどうかは、上記の懸念点に対しどれだけ緻密に対策しているかによっても変わります。新卒給与を引き上げている企業の今後の人材獲得戦略に注目が集まるでしょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。新卒社員の給与水準げは今後IT企業や、グローバル展開を目指す企業にとって検討すべき課題と言えます。様々な企業の水準と比較し、適切な報酬額を見極めることが急務と言えるでしょう。

また、近年日本の採用市場では新卒社員の年収引上げに限らず、様々な変革が起きています。人事担当者にとって刻一刻と変化する採用トレンドを抑えることは急務と言えるでしょう。

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Written by 採用 GOメディア編集部 阿部

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