春闘の「成果重視の賃上げ」導入に見る新時代の人材獲得戦略

毎年恒例の春季労使交渉。今年は三菱UFJ銀行やトヨタ自動車といった日本を代表する企業の「賃上げ」が変わることで話題になっています。年功序列型賃金の問題点は何か?大企業が変革することで労働市場にどのような影響があるのか?優秀な人材を引き入れる・引き留める方法とは?「成果重視の賃金制度」を徹底解説していきます!

目次


 

2020年春季労使交渉に見る「賃上げ」のトレンド

毎年行われる春季労使交渉では、賃上げが大きな争点の一つになっています。2020年の春季労使交渉では三菱UFJ銀行の労使が行員の賃上げ率を人事評価に基づいて決定する方式で合意することが決まりました。トヨタ自動車でも個人の評価に基づく賃上げ制度が導入される見通しです。

参考:日本経済新聞「三菱UFJ銀行、一律の賃上げ廃止へ」

日本の労使交渉では、賃上げの方法は賃金水準を一律で上昇させる「ベースアップ」とリーディングカンパニーが全体の賃上げを促す「パターン・セッター方式」が主流でした。

今回の日本の一大産業のリーディングカンパニーの方針転換は何を示唆し、どのような影響をもたらすのでしょうか。

 

人事制度が従業員に与える影響

日本の大企業では終身雇用を前提に、企業内での経験年数を基に賃金が決まる年功序列型賃金が導入されていました。ここでは年功序列型賃金と成果給の特徴についてそれぞれ詳しく見ていきます。

年功序列型賃金が日本企業にフィットした理由は「高度経済成長期の事業推進に合う人事制度だったから」。経済が豊かになっていく段階では新しい商品を開発し、機能を追加していくイノベーションが求められ、企業の強みと特徴を良く知り、企業内でうまくチームワークを作る人材が重宝されていました。また、今ほど働き方が多様でなかったので、私生活で家族を支えるためにも見通しの立てやすい賃金体制が求められていました。

一方で、年功序列型賃金には「モチベーションの低下」をもたらす副作用も存在します。成長意欲にあふれる若手、ビジネスモデルの転換や異業種とのコラボレーションといったイノベーションを生み出す高いスキルを持った人材は能力が評価されてないと感じ、嫌厭されてしまいます。また、管理職まである程度上り詰めた中堅社員にとっては、能力開発や事業改革を促すインセンティブが失われ、漫然と業務をこなす停滞期に陥りやすいことが課題でした。

2000年代より「成果給」が注目され始めました。能力の高い社員にとっては魅力的に映るかもしれませんが、企業によっては成果給への移行が上手くいかなかったり強みとしていたチームワーク意識が希薄になったりと副作用も起きてしまいます。

しかし、近年のビジネストレンドを見るとテクノロジーの進歩と社会構造の変化により、新しいビジネスモデルがどんどん生まれていきます。高い能力を持つ労働者を積極的に採用する方針に転換しつつあります。X techや産業をまたぐイノベーションを担う人材の育成・獲得のために成果給の導入が進んでいます。

さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。

職能給と職務給 ~優秀な人材確保と社内の理解のために必要なこと~

 

今後企業がとるべき人事戦略とは

人材獲得競争が激化する中で、重要なことはそれぞれの企業に合った人事戦略を練るということです。以下に挙げる3つの人事戦略はそれぞれ響くターゲットが異なるので、自社に合った戦略をとりましょう。

① 成果給を導入して人材の獲得を行う

この方法は、「イノベーションを起こすために必要な新たな才能の獲得を目指す」企業にとって有用な戦略です。三菱UFJ銀行やトヨタ自動車もFin techや自動運転、サブスクリプション型ビジネス等新しい事業に注力しています。そのような事業を進めるにあたって必要とされる人材の獲得のため、能力に合った高い給与を設定する企業も増えています。実際に、新卒に1000万提示する企業も現れています。

なぜ"新卒年収1000万 "?くら寿司・NECから見る採用市場の変化

② インセンティブボーナスをつける

この方法は、「長く働く従業員のモチベーションアップを目指したい」という企業にオススメです。年功序列型賃金の一つの問題点として、一定期間働くと昇進の限界やポストの上限が見え、自己研鑽を行わなくてもそのままの給与を保つことが出来る、という点が挙げられます。経験に基づく賃金に成果を評価するシステムを導入することで中だるみを防ぎ、イノベーションを起こすことが出来ます。

③ 能力開発・教育制度を手厚くする

これは長期雇用を前提としつつも、戦力となる若い人材を育てたいと考えている企業に有効です。リクルートキャリアの調査では、就活生の入社企業の決め手として「自らの成長期待」を挙げています。

参考:リクルートキャリア「就活生、入社予定企業の決め手は?」

また、中高年の従業員に対しても老後を含めたキャリア相談を行い、仕事へのエンゲージメントを高めている企業や円滑な早期退職を促す企業も増えています。厚生労働省はセルフキャリアドックの導入を推進し、従業員のキャリア満足度を高めることを推進しています。

参考:「セルフキャリアドック普及拡大加速化支援サイト」

 

まとめ

今後の人材獲得戦略にはトレンドを見据えて自社に合った採用戦略をとることが重要になります。

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Written by 採用GO編集部 亀川

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